建築が生産という行為に飲み込まれて、既に幾世紀が過ぎた。

非具象の淡いイメージやかたちにならないフォルムと、それが現実の世界において生成される際の構築物との隔たりが、本来、建築の顕現に有する宿命と知りつつも、現実に建ちあがる構築物へ重視する信念はあまりに強い。

創造途中の不合理あるいは非合理は、建設行為-合理的解法のもとに、新たな構造により再組織化され、不可能な構造は可能なそれに置換され、異常なスケールや色、装飾、気候には妥当な基準をあてがわれる。

模型やスケッチが指示する世界あるいはそれらが喚起する宇宙には、現実の慣習に束縛されない自由な創造があり、それこそが人間特有のでたらめで、遊びの、フィクションの、そして何より想像的な行為だと思う。

このような世界観の中では、模型やスケッチと現実の構築物との関係は逆転し、前者は建築そのものであり、後者は前者を影として宿すまさしくフィクションとなる

 

 

    
KATAOKA SHIGEO ARCHITECTS 
                  片岡重男建築研究所



      
fragile@pau-ksa.com


       POLICY

       PROFILE

       WORKS

       CONTACT

       BLOG